UiPathは、クラウド製品において毎月のように新しい機能をリリースしています。本記事はそのAutomation Cloud™製品等に関連する2023.3のリリースのハイライトです。今回の2023.3のリリースですが、2023.4のリリースにも繋がるエキサイティングなアップデートが豊富です。そして、UiPathでは、Artificial Intelligence (AI)を活用して、変革的な方法でより早く・多くのオートメーションを実現するための改善に力を入れています。
UiPathでは、UiPath Process Mining の分析結果に応じて、ユーザーがより簡単にアクションを取れるようにすることを常に意識しています。今回のリリースでは、UiPath Process Miningの新機能として、「アクションの取りやすさ」に関連する2つの機能をリリースしました。
1つ目は、オートメーションの統合で、ビジネスユーザーがOrchestratorのキューを利用してProcess Miningからオートメーションをトリガーさせることができるようになります。この新しい統合により、ユーザーはUiPathのロボットを活用して、必要な時にプロセスに介入することが容易になります。プロセスアナリストは、この機能をProcess Miningアプリの中で簡単に設定することができます。
2つ目は、新しい期限を設定可能なダッシュボードです。このダッシュボードでは、ビジネスユーザーが、案件が特定の期限を満たしているかどうかを継続的に監視し、満たしていない場合に介入が可能です。期限は、プロセスの特定の段階(出荷日など)や、サービスレベル合意(SLA)などの期限を反映するように事前に定義できます。
データセキュリティのニーズを満たしながら、組織内でプロセスマイニングアプリをより広範に共有できるようにしたいと考えているユーザーも多いかと思います。今回のリリースにより、プロセスマイニングアプリの管理者は、どのデータの列や行を特定のエンドユーザーに見せるかを定義することができます。これにより、管理者は機密データをより適切に管理し、限定的に共有できるようになります。例えば、従業員の給与を含む列のデータへのアクセスを制限したい場合などに非常に役立つ機能です。
予測や判断を伴う反復可能なビジネスプロセスは、APIオートメーションの候補として最適です。OpenAIとAzure OpenAIの新しいIntegration Serviceコネクタは、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)と市民開発者による、AIが生成する予測や判断を含む強靭で拡張可能なオートメーション構築をサポートします。
テキストやチャットの補完機能は、Jira、Salesforce、Oracle NetSuite などの一般的なシステム向けのカスタムクエリを構築するために必要なモデルをサポートします。これにより、開発者は、更新が必要なレコードを動的に引き出したり、別のオートメーションプロセスの中で使用するために再割り当てするなどして、時間を節約できます。
多くのUIやAPIアクティビティにおいて、コンテンツ生成が必要とされますが、例えば、社内外のコミュニケーションに対して、Gmail、Outlook、Teams、Slackでメールを自動生成することができます。
どちらのコネクタも、ほとんどのOpenAI大規模言語モデル(LLMs)をサポートしています。DaVinci、Curie、Babbage、AdaなどのGPTモデルを介した「Text Completions」を使用することができます。キュレーションされた「Chat Completions」は、ディープラーニング言語モデル「GPT-3.5」によってサポートされます。どちらのコネクタも、現在Public Previewとなっています。
UiPathとAWS SageMakerは、ユーザーが新しい機械学習(ML)モデルを迅速に、そしてシームレスにビジネスプロセスに接続できる統合を構築するために協業しました。複雑なスクリプトや手作業は不要で、本番環境に展開されたモデルは、UiPath StudioおよびStudio Webに直接容易に統合可能です。
このコードフリーなアプローチにより、データサイエンスチームが、デプロイメントスクリプトの実行と維持に費やす時間と労力を削減することができます。その結果、一貫性のある正確なワークフローが実現します。担当者は、実際のビジネス問題を解決するモデルと対話し、そこから価値を引き出すことができるようになりました。Amazon SageMakerは現在public previewとして提供中です。
Public Previewの新しいコネクタの利用は簡単です!
Automation Cloudにサインイン
画面の左側にあるIntegration Serviceを選択
利用したいPublic preview コネクタをコネクタカタログから選択
これらの新しいAIコネクタや、AIやオートメーション関する情報をもっと知りたい方は、ぜひUiPathのバーチャルAIサミットの録画をご覧ください。
現在のターゲティングメソッドだとUI要素を見ることができないプロジェクトを自動化したいユーザーのために、AI Computer Visionが新しいターゲティングの方法としてターゲット取得機能の一つとなります。これにより、UIオートメーションとAI Computer Visionの切り替えが不要になり、複雑なUIオートメーションをより高速に提供可能になります。また、AI Computer Visionが必要なのか、UIオートメーションが必要なのかを事前に特定する必要もなくなります。
AI Computer Visionを使用すると、UIの変更に対してより強靭で信頼性のあるオートメーションを開発できます。この機能はデフォルトで反映されているため、ユーザーによる追加のアクションは必要ありません。また、新しいアイコンビューには、更新されたツールチップとガイダンスが含まれており、より使いやすい体験を提供します。
ビジネスルールは、より正確な結果を確保するとともに、人によるデータの検証を減らすことに役立つため、プロセスの自動化において重要なものです。UiPath Document Understandingのためのビジネスルールがより多く開発される中で、数学的ビジネスルールの強化が最近リリースされました。
Studioでオートメーションを開発するRPA開発者や市民開発者は、フィールドレベルで抽出検証のルールとして数学的な式を定義できるようになりました。例えば、請求書の合計金額が正確に抽出されるために、次のルールを設定できます:
合計金額 = 商品価格×数量
その場合、出力を検証する従業員は、各フィールドを確認するのではなく、ルールの例外に重点を置くことができます。人による検証に必要な時間の削減は、オートメーションプロセスの平均処理時間(AHT)の削減につながり、ROIの向上にもつながります。
UiPath OrchestratorとAutomation Cloudに導入された今月の新機能は、管理者とオートメーション開発者のエクスペリエンスを向上させることに焦点を当てています。
Orchestsratorのライブストリーミングとリモートコントロールの利用により、リモートでのジョブの実行のトラブルシューティングが簡素化されます。先月発表されたStudioでのデバッグを支援するためのライブストリーミングサポートに基づき、公開された実行をストリーミングできる新しいユースケースが追加されました。Orchestrator管理者またはオートメーション開発者(適切な権限を持つ場合)であれば、実行中のUnattended実行を監視できます。何かデバッグが必要となった場合、リモートコントロールにより、問題をトラブルシューティングして修正することができます。
これにより、問題の特定と解決に必要な時間が大幅に短縮され、デバッグとオートメーションプロセスの手動介入の必要性が減少します。さらに、この機能はUiPath Automation Cloud Robotsに自動的に含まれており、事前に設定されているため、容易に利用可能です。
ライブデバッグが利用できない場合には、現在Preview版として利用可能な新しいビデオ録画機能が、ジョブのトラブルシューティングの効率を向上させるものとして用意されています。すべてのジョブを録画するか、失敗したジョブのみを録画するかを選択でき、最大7日間の録画にアクセスできます。
この機能は現在Serverless Automation Cloud Robotsで利用可能であり、近々VM Automation Cloud Robotsでも有効になる予定です。また、エンタープライズプランに限定しないすべてのユーザーが利用可能な機能として提供されます。
ライブストリーミング、リモートコントロール、無人ロボットのビデオ録画を併用することで、Unattended Robotによる強力で新しいデバッグとトラブルシューティングの機能を提供できます。これは業界初のソリューションであり、今後リリース予定の2023.4でさらに詳しく発表予定です。
タグは、昨年Orchestratorにリリースされて以来人気のある機能ですが、今回さらに改良されています。タグとは、Orchestrator、Studio、Action Centerで作成し、オブジェクトに適用できるラベルまたはキーバリューのペアで、関連するオブジェクトをより簡単に見つけることができます。例えば、会社の財務部門でSAPの自動化に関わるすべてのオブジェクトに、ラベル「SAP」とキーバリュー「Department: Finance」を適用します。これにより、該当のタグを検索することで、すべてのオブジェクトを見つけることができます。
新しいタグ管理エクスペリエンスは、Automation Cloudで公開されており、Automation Suiteでも2023.4で公開予定です。Automation CloudのメインナビゲーションバーにあるAdminの中にタグ管理があります。このアップデートでは、タグの操作を一元化するだけでなく、多くの要望が寄せられていた、過去に作成したタグの編集・削除もできるようになります。
キーバリューのペアオプションの柔軟性が大幅に向上され、値には、数値、文字列、ブーリアン、カスタム(カスタムの許容値は、指定した Regex ルール文字列によって管理されます)を指定できます。ラベルタグのメインリストで、そのタグのインスタンスがどれだけ使用されているかを確認でき、同じ管理ポータルから、あらゆるタグを含むオブジェクトを検索できます。
これまで通りOrchestratorからほとんどのタグ操作を行うことができます。しかし、Automation Cloud の管理タブでの一元化されたエクスペリエンスは、Automation Cloud と Automation Suite のすべてのタグ関連の新しいホームとなります。
UiPath Insightsは、既にあらゆる規模のオートメーションプログラム向けに包括的な分析・レポート機能を提供しています。しかし、多くのユーザーがすでに堅牢なビジネスインテリジェンス(BI)とレポート作成機能を利用しているケースが多いです。そのようなシナリオのために、今回のリリースでは、リアルタイムデータエクスポート機能が利用可能になりました。
この新機能により、Automation Cloudのユーザーは、マシン、ロボットログ、キュー、ジョブイベントをAzure Event Hub(またはPublic PreviewのAWS SQS)に送信して、オートメーションのパフォーマンスをリアルタイムで分析およびレポートすることができます。そして、Splunk、PowerBI、Elasticsearch用のあらかじめ用意された構成と、好みのビジネスインテリジェンス(BI)ツールを統合することができます。つまり、ユーザーは複数のツールを切り替えることなく、オートメーションの進捗をシームレスに監視・追跡できます。
Automation Suiteユーザーは、マシン、キュー、ロボットのイベントを直接Splunkに送信できるようになり、分析およびレポート作成プロセスが効率化されました。これにより、ユーザーはオートメーションプロセスのパフォーマンスに対する貴重な可視性を得て、ボトルネックを特定し、ワークフローを最適化することができます。この新機能により、Insightsは、データに基づいたユーザーの意思決定をサポートし、オートメーションプロセスを合理化させ、最終的に効率性と生産性を向上させます。
是非あらゆる新機能をお試しいただき、フィードバック(質問、バグ、提案)をインサイダープログラムを通じてUiPath製品チームへとご連絡ください。
こちらもお見逃しなく:
UiPath AI Summit 2023の録画を視聴して、AIを最大限活用し、オートメーションを加速させましょう。
UiPath Dev Diveに参加して、実際のシナリオにおける最新・最良のオートメーションの利用方法を学ぶことができます。
5月上旬に詳細をお届け予定の2023.4リリース内容もご期待ください。
Senior Product Marketing Specialist, UiPath
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