このブログでは、2023.1リリースの豊富なアップデートと、2023.4リリースにも繋がるUiPath Business Automation Platformの最新情報をお届けします。
まずは、昨年9月にラスベガスで開催されたFORWARD 5にて発表された新しいUiPath Platform:UiPath Business Automation Platformを改めてご紹介します。より簡潔化され、オートメーションによって得られる価値を軸としたUiPath Platformは、オートメーションを単なるツールとしてではなく、ビジネスの変革・運用に欠かせない手段として展開しています。2023.1リリースから2023.4リリースにかけては、発見・自動化・運用の3つの領域をさらに強化させるための機能追加に力を入れています。これらの機能追加により、ユーザーがより多くの変革的なオートメーションを、より迅速に実装できることを目標にしています。
最新の情報収集には、UiPathの新しい実践型ウェビナーであるUiPath Dev Divesへの参加がオススメです。Dev Divesは、UiPath Business Automation Platformを活用して、ローコード開発から、AIとの統合まで、信頼性の高いオートメーションをより早く・最適に実装する方法をデモや事例を用いてご紹介します。UiPathの製品エキスパートや、ユーザー、そしてエバンジェリストたちが、革新的なオートメーションソリューションを毎月お届けしていきますので、是非Dev Divesから気になるセッションへとご登録ください。
オートメーションの案の発掘をサポートするUiPath Platform機能は、業務プロセスの観察をサポートし、高いROIが見込める領域を特定します。そして、パイプラインの積み上げやオートメーション開発プロセスも管理できます。
オートメーションがアイデア段階から実装に至るまでには、数多くの要素が関連しています。皆さんは、オートメーションがアイデア段階のライフサイクルにおいて、どのようなステップを踏みながら修正されてきたかを知りたいと思ったことはありますか。今回のリリースでは、このような履歴を追跡するアイデア履歴機能が新たにAutomation Hubに追加されました。
アイディア履歴は、Automationプロファイルページ内の新しいタブから、オートメーションアイデアのライフサイクルの中で起きたあらゆるアクティビティのタイムラインを表示します。この機能は、オートメーションプロジェクトに関与する全てのユーザーのために透明性を提供します。そして、オートメーションが実装に至らなかった場合には、原因を理解することにも繋がるので、ボトルネックの特定にも役立ちます。
Automaton Hubのアイデアと、Automation OpsガバナンスセクションのStudioプロジェクト間のリンクを管理する機能が強化されます。その結果、Studioプロジェクトがオートメーションプログラムへともたらす利益をより容易に追跡できます。
ポリシーは、パブリッシュもしくはプロジェクトを実行する前に、利用ルールに基づいて施行され、エラーや警告として設定できます。この機能は全てのStudioプロジェクトに実装されます。
Process Miningの新しいインポート・エクスポートの変換機能は、ユーザーのローカル環境でデータ変換を編集可能になります。これにより、ユーザーは特定のイベント、タグ、そして既存のアプリテンプレートのKPIをカスタマイズし、既存のProcess Miningアプリを新規のデータソースへと連携することもできます。
2月9日に開催されたContinuous Discovery Summit (録画)では、ユーザーがどのようにUiPathの発見製品を活用してプロセスの自動化・改善を実装しているかを学ぶことができます。
UiPath Platformは、幅広い範囲のビジネスプロセスを自動化するために必要な機能を全て包括しています。統合されたAIによって実現されるUIとAPI Automationもシームレスに活用できるローコード開発環境を提供します。
UiPathのソリューションアクセレレーターは、ユーザーによって構築された特定の事例のためのオートメーションフレームワークです。この機能は、オートメーションプログラムの価値創出までの時間を短縮し、パッケージ化された技術的資料、ワークフロー、そしてモデルの活用により、発見・デザイン・デプロイメントに掛かる時間を削減します。これらのフレームワークは、ベストプラクティスに基づき、特定のシステムと連携する変更・拡張・カスタマイズ可能な再利用できるコンポーネントを含みます。
2023.4までのリリースにかけて、特に以下3つの事例領域における、新しいソリューションアクセレレーターをリリースしていきます:
ITエンドユーザーサービス
ヘルスケアフォームの受け入れ
購買から支払い
1月のリリースでは、2つの新しいソリューションアクセレレーターをUiPath Marketplaceに展開しました:
1.ユーザーアクセス管理ソリューションアクセレレーター
この新しいアクセレレーターは、拡張可能なアクセス管理オートメーションの開始点を提供します。拡張し続ける複雑な技術スタックを、統合されたIdentity and access management (IAM)ソリューションで即座に自動化可能です。IAMソリューションは、SAP®, Active Directoryなど、ユーザーが要求するワークフローに直接繋がる柔軟性を持っています。アクセレレーターパッケージに含まれるコードが、ユーザー管理トランズアクションを処理します。このソリューションアクセレレーターをUiPath Marketplaceから今すぐに利用開始できます。
2.請求書照合処理ソリューションアクセレレーター
この新しいアクセレレーターは、既存の経理システムをより効率的に活用するための、ファイナンス部門のP2Pワークフローをデジタライズ・拡張するために最適な開始点を提供します。AIとDocument Understandingを活用した証明されたフレームワークの利用で、即座に請求処理を自動化し、精度を向上させ、新しいレベルで一連の過程プロセスを達成できます。このアクセレレーターパッケージに含まれるコードは、請求書とそれに対応する発注書の照合ロジックを提供します。このソリューションアクセレレーターをUiPath Marketplaceから今すぐに利用開始できます。
Integration Serviceのためのより幅広いコネクターカタログ
UiPathは、継続的に新しいコネクターをIntegration Serviceのコネクターカタログに追加しています。そして、UiPathのコネクターは、既存のアクティビティやトリガーのキュレーション・精製により、日々改善されています。
このリリースの目的は、コーディングに代わる簡素化された方法を提供することで、ビジネスユーザーが素早く運用的な事例を理解することに役立ちます。例えば、Salesforceでは、ビジネスユーザーは、「create opportunity」、「retrieve a record」、もしくは「update a record」といった表示を、同じコマンドによって表現された慣れないコードよりも好む傾向があります。
例えば、Google Workspaceの2つのディスクリプションのように、トリガーのキュレーションと明瞭さは、どちらも同等に便利です。
1)メールが送信されたらオートメーションワークフローを実行する
2)新しいメールを受信したらオートメーションワークフローを実行する
以下は、2023.1リリースで追加のキュレーションを受けたUiPathの最新のコネクターです。
Coupa
DocuSign
Gmail
キュレーションされたアクティビティやトリガーは、市民開発者のための複雑さを減らし、API Automation民主化への大きな役割を果たします。コネクターのベストプラクティスを読む。
オートメーションのパフォーマンスを最大化させるため、2つの新しいデスクトップトリガーを提供します。
1.ネットワークパフォーマンストリガー(既存のパフォーマンス・トリガー・アクティビティの一部)
この新しいデスクトップトリガーは、ユーザーによるネットワーク帯域幅の使用量全体の監視と、特定のしきい値と持続時間をベースとしたアクションの実行を可能にします。例えば、ユーザーに通知を送ったり、プロセスの開始を遅らせたり、反応時間が最も掛かる期間にアクティビティのタイムアウトを増加させたりして活用できます。
2.アイドルトリガー
このトリガーは、マシンのマウス/キーボードの停止を一定期間監視し、ある特定の時間が経過したタイミングでアクションを実行できます。例えば、開いているドキュメントをセーブして閉じたり、ユーザーのマシンをロックしたりです。
2023.1のリリースでは、UiPath Document Understandingに以下のようなアップデートがあります。
Omni Page OCRパッケージを .NET5 のポータブルフレームワークにアップグレードしました。これにより、Linuxロボットによる実行が可能になり、オートメーションの運用システムをより柔軟に選択できるようになりました。
抽出結果に“TextType”の特性が追加されました。手書きや印字、そしてチェックボックスを容易に特定し、抽出されたテキスト/データの種類を検証します。この情報を活用すれば、手書きのテキストのみ検証し、印字の検証はスキップするなどのルールをオートメーションに追加できます。
新機能であるフィールドのデフォルト値は、フィールドからデータが抽出されない場合に、フィールドで利用するためのデフォルト値をユーザーが設定できます。この機能は、フォールバック値があったり、特定の資料やベンダーのタイプによって一般的に標準であるフィールドを事前に入力させる際に便利です。
高度なキーワード分類改善。アップデートされたアルゴリズムは、同じタイプの文書をより良く分類可能です。例えば、請求情報の含まれたPDFの分割などです。この分割オプションは、必要に応じてすぐに無効化できます。
Google OCRのリージョン設定により、Google Cloud OCRエンドポイントリージョンをグローバル、ヨーロッパ、そしてアメリカの中から選択することができます。
2022.12のプレビューリリースでは、AI Computer VisionをUI Automationのターゲットとするシームレスな連携をはじめて紹介しました。これにより、Computer Visionは新たなターゲティングの方法となり、セレクターや画像のようにUI Automationユーザーにとって有益なものになります。特に、セレクターでUI要素のターゲティングに苦戦する場合に有効な手段です。
この機能追加では、UI AutomationとComputer Visionのどちらかを選択するための知識がなくても、オートメーションの複雑さを解消し、開発速度を加速させます。そして、同時に信頼性と変化に対するレジリエンスも向上させることができます。Computer Visionは、2022.12のリリースではデフォルトで反映されていない状態ですが、プロジェクトの設定から反映させることが可能です。
UI Automationのターゲティング方法としてのComputer Visionの統合は、ユーザーエクスペリエンスを大きく向上させるものですので、是非お試しいただきたい機能の一つです。
UiPath Platformは、ビジネスにとってミッションクリティカルである大規模でレジリエントなプログラムの運用にも対応できる機能を一元的に提供しています。
UiPath Business Automation Platformにおける重要な目的の一つ:価値訴求スピードの加速と総所有コストの削減を実現するTesting Automation Cloud™ Robotsの提供を開始しました。このリリースにより、テストチームやビジネスユーザーは、ロボット用のオンプレミスもしくはパブリッククラウド環境の構築不要で、テストジョブを実行できます。これは、UiPathがAutomation Cloud経由で配布するロボットをAutomation Cloudポータル上で管理することにより実現されています。
Testing Automation Cloud RobotsはVMとサーバーレスどちらにも対応しており、通常のAutomation Cloud Robotsより低価格で提供されているため、より効果的に必要なテストの実行が可能です。Testing Automation Cloud Robotsは、月間Robot Unit数(2,000~9,000Robot Units/month)に応じて、異なる価格帯で提供されています。Testing Automation Cloud Robotsは、テストセットやテストケースをUiPathのTest Suiteやオートメーションの中の非本番環境で実行でき、Enterprise、Pro、Pro Trialの全てのライセンスプランで利用可能です。
詳細は、リリースノートをご確認ください。また、まだUiPathを試されたことがない場合、Automation Cloudアカウントを作成いただき、ご自身のAutomation Cloud上で、テスト機能をお試しください。
Automation Opsのソースコントロール機能が今年1月にパブリックプレビューとしてリリースされました。この機能追加により、オートメーションプロジェクトや開発の全体図をUiPath Platform上で確認できるようになりました。現在は、GitHubとの連携がサポートされています。そして、StudioとStudioXでも利用可能なソースコントロールも含め、管理者のためのオートメーションプロジェクト開発全体のコード管理エクスペリエンスを改善・簡素化します。
Automation Opsの目的は、ユーザー企業がオートメーションをスケールするために必要なツールを提供することです。ソースコントロールのリリースは、プロジェクト開発の全体図の把握に役立つアクティビティを提供し、企業のオートメーションを一歩前進させます。現在は、以下を含んでいます:
複数のレポジトリ内にあるオートメーションプロジェクトの概要
プロジェクトファイルの構造とコンテンツ
各プロジェクトにおける履歴のコミット
他のファイルタイプ(.json, .xml, .yaml)をハイライトするためのワークフローとシンタックスのグラフィカルビューを備えたファイルビューア
過去のコミットからアップデートされたファイル
サイド・バイ・サイドグラフィカルの差
マルチブランチサポート
この機能を利用するためには、所属する組織の管理者権限が付与されていることを確認し、Automation Opsのソースコントロールセクションから、ご自身のGitHubアカウントと連携させてください。その他関連情報は、ソースコントロールのドキュメントページをご参照ください。
以上が2023.1リリース概要となりますが、今回ご紹介したアップデートに限らず、是非様々な機能をお試しいただき、UiPathのインサイダーポータル経由でフィードバックいただけますと大変嬉しいです。また、最新機能を含む事例シナリオから情報を得るためには、UiPath Dev Divesへの登録がオススメです。その他にも、UiPath JapanのウェビナーシリーズUiPath Todayからは、昨年のメジャーリリースである2022.10リリース関連動画もご視聴いただけます。
Happy Automation!
Senior Product Marketing Specialist, UiPath
Landing Modal Subheadline