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AIとRPAで働き方を変える ―日本の未来を元気にする2021年のDXのヒントとは?

AIとRPAで働き方を変える

かねてから働き方改革や業務改革に取り組んできた企業に加え、2020年はコロナ禍によってリモートワークやデジタル化への取り組みを始めた企業が多くなった年でした。2021年となる今年、企業や組織においてデジタルトランスフォーメーション(DX)はどのような変化を遂げるでしょうか?

UiPathでは、代表取締役CEO長谷川康一の著書『現場が輝くデジタルトランスフォーメーション RPA✕AIで日本を変える』(ダイヤモンド社)の発刊を記念して、1月26日にオンラインセミナーUiPath Todayにおいてスペシャル対談を開催しました。

お招きしたのはAI業界を牽引するスタートアップ企業の1社である株式会社シナモンの代表取締役社長CEO平野未来氏。「AIとRPAで働き方の未来を。現場が輝くデジタルトランスフォーメーションとは」をテーマに、AIとRPAの相乗効果で、働き方を変えていく、企業を成長させるヒントについて語っていただきました。 

2020年はコロナ禍でDXが躍進した年 

対談では、長谷川が3つのテーマを挙げました。1つめは「2020年 一気に進んだデジタルトランスフォーメーション」です。平野さんは「コロナ禍で多くの企業が通常の業務を遂行するためにデジタル化を進めています。コスト削減という視点で“デジタル化”が注目されていますが、本当に必要なのはビジネスモデルをも変革するようなデジタルトランスフォーメーションです」といいます。

「真のデジタルトランスフォーメーションにとって大事なのは、“コスト削減”のためのAIではなく“成長戦略”としてAIを活用するという視点です。たとえば、当社で支援したアニメーション制作会社では、セル画の着色にAIを活用しました。

AIとRPAで働き方を変える

コスト削減という視点では、作業員が半減できたなどの成果にとどまります。しかし、成長戦略という観点だと、まったく違うインパクトが見えてきます。コスト削減に加え、手作業では不可能な業務スピードが実現できます。さらに、これまで人件費の安い海外に流出していた作業を国内に戻すことで、私の試算では約100億円の事業創出にもなります。ここが重要なのです」 

長谷川自身も成長戦略という視点に賛同します。2020年5月UiPathは、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室と関連対策にかかわるRPAおよびAI等の活用のための共同取り組みに関する協定を結びました。「デジタル庁の発足など、政府もRPAとAIの重要性に着目しています。私も今後は、成長戦略という視点にフォーカスすることが必要だと思いますね」。 

2021年はDXがさらに進展、AIによって専門技術の分野の民主化へ

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2つめのテーマである「今年さらに進化が期待されるものは?」という問いに、平野さんはこれまで特別だった専門技術分野がRPAとAIによって開放され、「“人工知能技術の民主化”が起こる」と予測します。

「ルールベースで動いているIT技術と異なり、AIでは、人間とAIが一緒に働く“Human in the loop”という考え方が中心です。AIが人をサポートし、人間の作業によってAIの学習データが蓄積されることで、AIの改善につながり、さらに人間側の生産性が向上していくというループです。

これがさらに進化し、弁護士や会計士、建築士などの専門家の技術や知識に適応されて“Expert in the loop”となれば、世界は大きく広がると思います。これまで高い価格を払ってしか依頼できなかった特別な技術を、安価でいろんな人が身近なケースで使えるようになるでしょう。これが人工知能技術の民主化です」

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実は、4年前にUiPathを日本で創業したとき“AI-Path”という言葉も商標登録していたと長谷川が明かしました。「私たちはけっしてAI製品の販売やコンサルティングをしたいのではなく、当初からRPAを使いこなすことで“AIの民主化”を起こしたいと考えていたんです。“Expert in the loop”が進んで、世界中の人にAIを使ってもらえるようになると嬉しいですね」 

DX成功のポイントは、”はやく結果を出して、次に行く”こと

最後のテーマは、日本の皆さまへのメッセージとして、いかにデジタルトランスフォーメーションを成功に導くかです。 

平野さんは「すべての企業のトップがデジタルトランスフォーメーションにコミットメントする必要があります。CDO(Chief Digital Officer)の存在は必要不可欠です。企業によって活用フェーズの違いはあるので、現在まったく活用していない企業は、まずはスモールスタートでよいので経験を積むためにぜひとも3事例から取り組んでいただきたいです。 

デジタルトランスフォーメーションの先駆者たちも、当初は失敗もしています。しかしその失敗を経て、デジタルトランスフォーメーションを成長戦略に繋げることができているのです」と語ります。 

一方で、すでにある程度着手している企業については、今後の進め方に迷っているケースが非常に多いと平野さん。「そのような企業は、ぜひ“成長戦略”にAIを活用する視点へと転換していただきたいです。重要なポイントなので、私たちもなんとか支援したいと考えており、過去に支援した約100社を分析して、5つのエンドバリューと、各々に必要なフレームワークを導き出しました。今その内容を書籍にまとめているところです」

また長谷川は「2020年はある意味、日本全体がデジタル化を体験した」といいます。「70〜80代の方でもコロナ禍でZOOMを使ったひとはかなりいました。そのような状況で、やはり今はまさに経営者も本気を見せるときだと思いますね。 

私たちは“はやく結果を出して、次に行きましょう”とよくいいます。平野さんのおっしゃるとおり、POC(概念実証)で失敗でもいいので結果を出して次にいくことが必要。トライアンドエラーでよいから、まずは誰かが最初にエンジンをかけることが大事ですね」

対談の最後は「2020年は大変な1年でした。2021年はそれをバネにして、明るい年にしていきたいと思います」と平野さんの言葉で締めくくられました。

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