Summarise:

UiPath Friends Festival(通称UiFes)は、UiPath Friendsの最大規模のイベントです。第6回目となる今年度のUiFesは、2026年1月31日(土)に渋谷キューズスクランブルホールで開催されました。
今年のテーマは「Hello Agentic World!みんなで語る、エージェンティックオートメーションの世界」。エージェンティックオートメーションの未来について100名を超える参加者同士が語り合い、開催中にXのハッシュタグがトレンド入りするなど、会場は大いに盛り上がりました。本記事では、当日のセッションの中から一部を抜粋して紹介します。
基調講演には、物流業でUiPathを活用しつつAIエージェントの構築を手がけるyhakiaiさん、SIerでリセラーとしてUiPathと関わるちゅきさん、2020年から製造業でUiPathを活用し、現在はフリーのちーやんさんが登壇しました。
▼まずは、UiFes企画運営リーダーのyhakiaiさんからです。
コミュニティ紹介、コミュニティの歩き方
yhakiaiさんは、UiPath Friendsとコミュニティロードマップについて解説しました。
yhakiaiさん「UiPath Friendsは、ユーザー有志によって運営される非営利の公式ユーザーコミュニティです。『ユーザーが中心となってトコトン楽しむことにより、ユーザーも企業も成長できるコミュニティ』をビジョンに掲げており、『コミュニティロードマップ』を見れば、コミュニティの参加回数に応じて活動の幅が広がることが分かります」
yhakiaiさんはさらに、生成AIを活用して作成したエージェンティックオートメーションのコミュニティロードマップを紹介。「AIの進化はすさまじく、エージェンティックオートメーションに一人で取り組むのには限界があります。コミュニティで情報をシェアして広めていきましょう」と呼びかけました。

▼2番目は、ちゅきさんです。
エージェンティックオートメーションの概要と業界動向
ちゅきさんは、「エージェンティックAI」と「AIエージェント」、「エージェンティックオートメーション」の違いを次のように説明します。
ちゅきさん「エージェンティックAIは、AIを組み合わせて長期的な目標を達成することを指し、その一部であるAIエージェントは、『AIとRPAなどを組み合わせて自動化する』『AIが自分で判断して実行する』の両方の意味で使われることが多いようです。エージェンティックAIが実現すれば、AIエージェントという言葉は使われなくなるのではないでしょうか。エージェンティックオートメーションはさらに広い範囲をカバーする言葉で、AIとRPA、人が協働して目標を達成することを指します」

▼最後はちーやんさんです。
エージェンティックオートメーションの登場で変わる「学び」と「働き」
ちーやんさんは、エージェンティックオートメーションによって、エンジニアに求められることが変わってくると強調します。
ちーやんさん「今後の開発は、品質評価や承認プロセスといったところが重要になってきます。正解がない学びが求められ、安全性の基準やリスクの許容範囲を対話で探る必要があるでしょう。また、不確実性を前提とした『リカバリーフロー構築力』も欠かせません。学びでは多様な導入事例などが求められ、それはコミュニティでしか共有できないと考えています。個人的には、エージェンティックオートメーションの登場によって、付加価値としての会話力が必須だと痛感しています。現場のリアルが誰かの迷いを晴らすきっかけになるので、ぜひコミュニティで積極的に発信してください」

エージェンティックオートメーションを活用しているメンバーによるセッションです。スピーカーは、山崎さん、佐々木さん、矢倉さんです。
UiPathのディストリビューターでAI機能の検証や研修講師などを担当する山崎さんは、AIエージェントのこれまでの歩みやRPAとの違いの他、UiPathのAIエージェントに対するアプローチについて解説しました。
山崎さん「エージェンティックオートメーションは、AIエージェントとオートメーション、人の判断をUiPath Maestroで統合している点が特徴です。UiPath MaestroはBPMN形式でプロセス全体を描き、重要な判断は人にエスカレーションします。AIとロボットや人が協働する業務プロセス全体の流れを統制するため、安心感があります」

田辺ファーマプロビジョンでCoEと開発者を兼任し、2025年度のUiPath Community MVPでもある佐々木さんは、「AIエージェントとBPMNツールを分けて考えるとエージェンティックオートメーションを理解しやすくなる」と指摘します。
佐々木さん「RPAによる定型業務の自動化でかなりの効果が出ましたが、タスクレベルの自動化で実行管理が担当者任せとなり、プロセス全体を見るという発想になりづらかったのは事実です。AIエージェントとRPAや人の協業をマネジメントするUiPath Maestroは、プロセス単位で業務を管理するスタイルに移行するきっかけになるツールだと考えています」

続いて、UiPathのリセラーでプリセールスを担当し、UiPath Community MVPでもある矢倉さんです。矢倉さんは、問い合わせ対応業務をエージェンティックオートメーションで自動化するデモを披露しました。

セッションの最後には、会場から「UiPath Maestroが他のBPMN製品よりも優れている点を教えてほしい」という質問があり、佐々木さんが次のように回答しました。
佐々木さん「昔のBPMN製品は、業務プロセスの可視化はできましたが、改善となるとまた別の話でした。UiPathにはAIエージェントやUiPath Studio、Studio Xが備わっており、可視化だけでなく実際に業務改善につなげることができます。これが一番の魅力だと感じています」
「RPAの活用や開発の推進に日々チャレンジしている参加者に向けたエンカレッジ」をテーマにしたセッションです。ここでは内容の一部を紹介します。
▼生成AIとRPAと自動化
ヤンマー建機の田中重信さんは、現場を巻き込んで効率化を成功させるための秘訣を紹介しました。
田中さんは、「テクノロジーによる効率化は大事ですが、最も重視すべきなのは、現場の困りごとを解決し、効率化で創出した時間を本来取り組むべき仕事に充てることです」と強調します。
田中さん「まずは、効率化に乗り気な部門の困りごとを解決して成果を上げます。次に対象部門からノウハウを持っている職人を選出してもらい、業務のどの部分に生成AIやRPAを活用するかを見極めます。プロトタイプを作ってマネジメントに見せ、アピールすることも重要です。そして、最後に職人と部門長を褒める。これが重要です」

▼導入から展開へ 市民開発者の深耕
ハウス食品グループ本社の今川正平さんは、RPAの導入から展開へ向けた現状を語りました。
今川さん「RPAを導入した年は周知やそのためのハンズオン、2年目は市民開発者を増やすことに注力しました。3年目となる今年は、ROIへの貢献を本格的に考えるフェーズだと考えています。本部主導によるスケールアップや市民開発者のスキルアップに注力した取り組みを実践しています。」
ハウス食品の営業本部でRPA推進と市民開発を担当する丸山友子さんは、営業本部における取り組みの概要を紹介しました。
丸山さん「今期は開発スキルの定着による自走領域拡大、ロボットの水平展開、現場への浸透までを一連の取り組みとして推進しました。特に力を入れたのがロボットの水平展開です。最初から複数拠点での活用を前提としたロボットをチームで開発した結果、業務時間の削減だけでなく業務の標準化を実現でき、業務理解やスキル向上につながりました」

▼現場駆動を成立させるためのUiPath×CoE実践
ジオテクノロジーズでCoEと現場開発チームのリーダーを兼任する、中井雄一さんと永田俊介さんによるセッションです。まず中井さんが、市民開発者によるRPA開発の課題を指摘しました。
中井さん「市民開発によって即効性のあるロボットが増えると、業務が一気に効率化されたように見えがちです。しかし、開発者によってロボットの構造がバラバラだったり、コードが読みづらかったり、ブラックボックス化したりといった課題が徐々に顕在化してきます。市民開発は、ルールで縛りすぎると現場の手が止まり、プロセスが形骸化します。放任すると、野良ロボットが増えて業務が属人化します。そこで、人の可能性や限界と向き合いながらルールを決めることにしました」
ジオテクノロジーズは、市民開発におけるルールとして「コーディングルールをコードの読み手に最適化する」「開発プロセスを市民開発に最適化する」「市民開発者に成長してもらう」の3つを定めています。
永田さん「コーディングルールをノンエンジニア向けに最適化する他、業務品質のリスクに合わせて標準プロセス、簡易プロセス、個人用プロセスの3段階のプロセスを用意しています。これは、開発のスピードを落とさず、開発者のやる気をそがないためです。また、開発者の成長を目的としてコードレビューにも力を入れています」
「UiPathは私たちの思想を現実化できる道具です。フルスタックですが、『これさえあれば全部うまくいく』とうたっていないところが当社に非常にマッチしました」と語る永田さんは、現在の状況を「開発者が『任されている』と感じるが孤独ではなく、開発者自身の自律的な改善文化を醸成できている」と分析します。
永田さん「私たちが残したいのは、ロボットでもルールでもなく、時が経ってもメンバーが変わっても、開発者が『自分で考え、改善し続ける文化』です」

本セッションでは、UiPathの社員がコンテンツやリソース、製品機能を紹介する他、グローバルアワードの発表がありました。
プロダクトマーケティング部 部長の夏目は、グローバルのコンテンツやリソースを紹介。環境の構築やセットアップ、ログインなしでAIエージェントやUiPath Maestroを触れる「UiPath Playground」、グローバルのウェビナーで最新機能について学べる「UiPath Dev Dives」、プレビューの製品機能を動画で学べる「Demo Day」について解説しました。
テクニカルサポート本部 プロダクトサポートエンジニアの儀間は、自動化プログラム全体のパフォーマンスを「UiPath Maestro」や「AIユニットのテナントでの消費」といったテンプレートで追跡や測定、管理できる「UiPath Insights」を紹介しました。
デマンドジェネレーション本部 パートナーマーケティング&コミュニティマネージャーの渡辺からは、2025年度のグローバルコミュニティアワードの発表がありました。
アワードは16部門あり、全世界で約60名、日本からは2名が受賞しました。
年間のUiPath Friendsイベントの参加と登壇回数が最も多い方に贈られる「Event Enthusiast of the Year」を受賞したのは、ハウス食品グループ本社の今川 正平さんです。
今川さん「他社の情報を教えてもらうためには、まず自社の情報を発信する必要があると考えています。積極的に発信したことでいろいろな情報を得ることができました」

7月のブログ発信チャレンジサマーと12月のアドベントカレンダーで計7本の記事を書いたちーやんさんこと相川 千鶴さんは、「Blogger of the Year」を受賞しました。
相川さん「ブログを書き始めたのは去年からで、まさか受賞できると思っていなかったのでびっくりしています。UiPath Orchestratorのアクセス権やパスワード変更の自動化に興味がある方は、ぜひブログを読んでください」

UiPathは、2025年10月20日(月)から26日(日)まで、UiPathの創業地であるルーマニアの開発拠点「UiPath Automation Innovation Lab」に36名の日本の皆さまをお連れしました。本セッションは、この「UiPath Automation Innovation Lab Japan Tour」に参加したメンバーによるリアルレポートです。
スピーカーは、やまざきさん、コンサルティングファームでUiPathのアライアンスを担当するサラさん、パートナー企業のRPA事業部で事業部長を務めるむつみさん、ユーザー企業から委託されてUiPathの開発やユーザーサポートを担当するkinさんの4名です。
ルーマニアのブカレストオフィスには、開発エンジニアやプロダクトマネージャーといった1,000名以上のメンバーが在籍しています。今回のツアーでは、エージェンティックオートメーションの最前線を体感できるセッションや、日本のニーズに合わせたワークショップやハンズオンが用意されました。
スピーカーからはそれぞれの「参加のきっかけと目的」「印象に残ったこと」「現地で学んだこと・帰国後に取り組んだこと」が楽しいエピソードと共に紹介されました。
印象に残ったこととして、サラさんは「ドバイのテーマパークの業務改革事例」、むつみさんは「最終日のJapan Sessionでの参加者との意見交換とバリスタが淹れてくれるカプチーノ」、やまざきさんは「エージェンティックオートメーションをフランケンシュタイン AI(つぎはぎAI)という比喩で表現していたこととルーマニアの猫」、kinさんは「プロンプト作成のコツを開発エンジニアに直接質問できたことやハンズオン」を挙げました。
現地で学んだこと・帰国後に取り組んだこととして、サラさんは「コミュニティの仲間と知り合いになってUiPath製品に愛着を持つようになり、UiPath Friendsのイベントに初参加したこと」、むつみさんは「エージェンティックオートメーションアソシエイトの資格を参加者4名が全員取得し、UiPath Friendsのイベントに初参加したこと、学びを実際の業務で活用する検討や検証、英会話レッスン」を挙げます。やまざきさんは「報告レポートの作成と資格取得、ハンズオンコンテンツの作成と開催」、kinさんは「資格取得とUiPath Communityのグローバルリーダーとの再会」を挙げました。
セッションは、kinさんからの「海外から得るものは、たくさんあります。機会があればチャンスを自分でつかみ取って、ぜひ参加してみてください」という一言で締めくくられました。

UiPath Community MVPのちゅきさん、末武洋一さん、しおちゃん、みやぎさん、よしやんさんによるセッションです。
ちゅきさんからは、AIエージェント同士をつなげるMCPとそのセキュリティについての発表がありました。末武さんには、UiPath Studio非推奨・削除機能の対応について解説いただきました。MVPに加え、現在日本唯一のオートメーションカタリストでもあるしおちゃんからは、RPAテスト機能の使い方を解説していただき、みやぎさんからは、エージェンティックオートメーションによって、RPA開発者が今後どうなるかという考察を披露していただきました。よしやんさんからは、UiPathの会話型エージェントからMCP経由でkintoneを操作する方法を紹介していただきました。
最後にUiFes企画運営リーダーのyhakiaiさんこと吐合 由多加さんに、イベントの感想を語っていただきました。
吐合さん「100名を超える方にお申し込みいただき、参加率も高くてほっとしています。今回のテーマがエージェンティックオートメーションで、ちょうど生成AIを業務で活用していることもあり、リーダーに立候補しました。UiPath Friendsには初級者から上級者まで、幅広いレベルの方がいらっしゃいます。初めてでもぜひ気軽な気持ちでご参加いただけたらと思います。みんなで一緒にAI活用の壁を超えて行きましょう」

コミュニティマネージャーの渡辺も、次のように強調します。
渡辺「UiPath ユーザーの方には、これまでイベントや勉強会にあまり縁がなかった方もいらっしゃいます。UiPath Friendsに来れば、さまざまな立場の方と意見交換してスキルアップすることが可能です。熱い仲間がたくさんいるので、ぜひそうした素晴らしい仲間と直接触れ合っていただき、エージェンティックオートメーションを前に進め、ビジネスで成果を出していただきたいですね」
本記事でご紹介できなかった当日の様子は、ぜひこちらからご視聴ください。
https://www.youtube.com/watch?v=SI-27k6U7_0&t=16106s
UiPath Friendsは、ユーザー主体のUiPath公式ユーザーコミュニティです。UiPathに関する技術交流や勉強会を行い、UiPathユーザーの技術力向上に寄与していきます。2026年2月現在、参加者は3,000名を越えました。ユーザーの皆様が中心となって、トコトン楽しむことによりユーザーも企業も成長できるコミュニティです。ぜひ、下記からご参加ください。

Japan, UiPath
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