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オートメーションが変革の中核を担う時代へ

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11月10日(木)~11日(金)2日間にわたり開催された「UiPath FORWARD 5 Japan」。本記事では、2022年5月に就任したCo-CEO Robert Enslinによる日本初の基調講演と、UiPath株式会社代表取締役CEO 長谷川 康一の基調講演の内容をお届けします。

Robertは、UiPathのCo-CEO 就任以前はSAPとGoogleに在籍。特にSAP Japanの代表取締役社長を務めていた際には、3年間の日本での居住経験もあります。Robertは、1990年代のERP、2000年代はインターネット、近年のクラウド同様に、オートメーションは今の時代のゲームチェンジャーであり、状況を刷新するものと捉えています。オートメーションは、いかにして時代の変革の中核を担っていくのでしょうか。Robertと長谷川が語ります。

「GO BIG!大胆にやろう!」

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基調講演の冒頭にてRobertは、「私たちはデジタル変革のS字曲線の転換点にいる。そしてオートメーションこそがS字曲線のロケット燃料になる」という世界的アナリスト企業であるForrester社の言葉を引用し、「UiPathは自動化、オートメーションを定義する技術であると信じています」と断言しました。

「世界中の先見性あるリーダーは、オートメーションを優先的に経営に取り入れ、イノベーションを起こし、価値を最大化しています。より高く目標を設定し、戦術的な改善だけでなく、変革的な成果をも上げています。実際にEverest社の最近の調査では、効率性50%アップ、生産性40%アップ、顧客満足度は40%改善されたと発表されました」

例えば、シンガポールのチャンギ空港は巨大なターミナル空港新設時に、オートメーションを活用した運用方法を開発。従業員を増やすことなく、年間5,000万人もの乗客の迎え入れを可能にしました。

電通は、広範なグローバルオペレーション全体にオートメーションを導入し、2,500件以上の自動化を17カ国で実施。年間50万時間以上を、クリエイティブ思考やクライアントとの関係構築などの成長の原動力となるコア業務に振り分けることができました。

UiPathの財務部でも、いまやワークフォースの25%はデジタルになっています。2018年以降、私たちは約7倍の収益を上げるまでに成長してきましたが、財務部の人員は1.5倍の増員をしただけで対応することができています。

「では、なぜこのような成長が実現できたのでしょうか。同様に、日本において自動化で大きな成果と変革を実現した企業や組織のトップの方々に尋ねると、誰もが同じ答え、“GO BIG!”つまり大胆にやることだと教えてくれました」

創業150年を越える三菱マテリアルは、将来、完全なデジタル変革が必要だと認識し、徹底的かつ迅速に自動化を実施。結果、製造業務において大幅な品質改善がみられ、残業時間やコスト、社員のストレスが低減されただけでなく、社員満足度の飛躍的な向上といった重要な成果を果たしました。

「ここから分かるのは、自動化が企業のイノベーションに貢献できたということです。今や自動化はコストカットや効率性アップではなく、新しいビジネスと収益源を生み出すことを可能にし、顧客体験を改善し、さらにセールスの能力をも高めるのです。つまり、自動化によって変革を目指すのであれば、自動化のポテンシャルを最大限に発揮できるように正しい軌道に乗ることが重要です。」

Robertは、UiPathが企業の自動化を支える基盤となるテクノロジーであることを約束し、UiPath Business Automation Platform を紹介しました。 「UiPath Business Automation Platform – それは、全ての自動化プログラムが必要とするテクノロジーをまとめたものです。AIを活用し自動化の可能性を“発見”する機能、プロ開発からシチズンデベロッパーまで幅広くかつ強力に“自動化”する機能、そして大規模でミッションクリティカルな自動化を支えるセキュリティや管理などの“運用”を担う機能。これらを備えた UiPath Business Automation Platform によって、自動化の価値を最大化することができるのです。」

最後にRobertは「本日は、日本やグローバルのパートナー様がお集まりいただき深く感謝し、嬉しく思います。より高みを目指して、日本、アジア、全世界のパートナーの方々と一緒に素晴らしい変革を起こしていくことを楽しみにしています」と締めくくりました。

日本型DXが、世界をリードする

続いて長谷川から、ユーザーの皆様と着実に歩みを続けてきた約6年間のUiPath社の日本における歴史を踏まえて、その先に必要となるものは何か、3つのキーワードを軸に語りました。これは長谷川が過去1年間、150名に及ぶ経営者、ビジネスリーダー、CDO、CIOの方々とお会いし、多くのフィードバックを得た中から示唆されたキーワードです。

1.ビジネスがデジタルに

「すでにセミナーで三井住友フィナンシャルグループの太田CEOはじめ多くの方が語られましたが、ビジネスの一部分がデジタルになるのではなく、これからは“ビジネス全体”がデジタルになるということです」

2.千三つから万三つへ

「ある経営者の方が、自分は長年携わり、自社の製品やサービス、お客様について知り尽くしているけれど、それでも本当にお客様が求めているものを提供できるのは1000回に3回だったが、今、これがデジタルの世界では1万回に3回となってきていると話してくれました。世に製品やサービスを出した後に、フィードバックを受け改善するということ。つまり、いち早く“失敗という成果”を上げて、“成功という成果”に結びつける必要があるという意味です」

3.減価償却から増加蓄積へ

「これまでは製品は購入後、時間が経つにつれ価値は下がるものでした。しかし今は、製品とサービスが一体となり、フィードバックを得ることでソフトウェアをアップグレードできます。つまり、お客様が使えば使うほどに製品の価値が向上し、蓄積される経済のありかたへと変化しています。そういう意味では、今まで以上にお客様に寄り添うことが必要で、サブスクリプションも、そういったモデルの1つと言えます」

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デジタルの大きな波が到来。自動化は不可欠

長谷川は、今デジタル化の大きな波が来ているのを強く実感するといいます。その際、「必ず自動化が燃料となり、DXを加速し、イノベーションを起こす」とも断言します。

「重要なのはツール単独ではなく、UiPathが提供している製品群をプラットフォームとして戦略的に活用していただき、実際に成果を出し、イノベーションを起こすことです。私たちUiPathはそれを積極的に支援したいと考えています。また、デジタルの時代に必要なのは、個を強化して連携できる組織を構築することです」

個を強化した現場が主役のオートメーションの例として、長谷川が挙げたのは、まずは総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」をはじめ、多彩な店舗形態による小売事業を展開する運営するPPIH社のケース。社内外の公募による、主婦を含む7人中6人がIT未経験者でRPA課を創設し、170件の案件の自動化を実現しました。

さらに信州大学附属病院では、経営管理部門内のRPA推進室がユーザー主体でRPAを開発。受発注管理と財務会計システム間で、非常に難しいとされている医療の勘定科目の紐付けと自動仕訳を、AIを活用して自動化に成功。この成功を受け、全学をあげてRPAとAIを中心としたデジタルトランスフォーメーションが進行中です。UiPathも個別に協定を結び、自動化を支援しています。

「お客様の課題をもっとも知り、それを解決したいと考える、現場のひとりひとりからイノベーションが生まれます。この状況を生み出すのが"現場が主役のDX"です。まさにDXが現場に神を宿らせるのだと私は思っています。

コロナ後の世界は、非対面、非接触が進み、冷たい世界になるような気がします。一方で、AI分野においては、もう米国や中国に追いつけないと心配する方もいるでしょう。

しかしAIが創り出した数字を画面で見るだけで、本当にお客様の気持ちがわかるでしょうか。日本では、現場でイノベーションが生まれてきた歴史があります。相手を思う気持ち、エンパシーを持つ日本の現場の一人ひとりの力が、RPAとAIによって強化されれば、より強力なイノベーションを起こせるはずです。

現場とエンパシーとRPAとAIを掛け合わせた、現場が主役の日本型のDXが世界をリードできると私は信じています。ぜひ皆さんと一緒に、世界を席巻していければと思います。」

長谷川の最新著書「現場が主役の日本型DX - RPA×AIをスマホのように使いこなそう」(ダイヤモンド社)は以下のページにて無料で試し読みいただけます。ぜひご覧ください。

「現場が主役の日本型DX」を試し読みする

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