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AIとロボットの組み合わせで真の変革へ急成長の半導体関連企業がエージェンティックオートメーションに期待する理由

Summarise:

AIとロボットの組み合わせで真の変革へ 急成長の半導体関連企業がエージェンティックオートメーションに期待する理由

従業員の業務負荷を下げ、創造性の高い仕事に集中させることにより企業価値を高める業務DX(デジタルトランスフォーメーション)は今や企業に不可欠な取り組みです。まして急成長著しい半導体関連企業においては喫緊の課題と言えます。AI(人工知能)を導入する動きは加速していますが、限定的な利用にとどまっていることもあり、まだ大きな成果につながっていません。業務DXを成功させるために必要なAIの活用とは何か、事例を基に探っていきます。

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問われる業務膨張への対応策

限定的なAI活用では薄い効果

半導体製造装置メーカー大手の東京エレクトロンは、業務改革の一環としてAIエージェントの活用を目指し、トライアルを進めています。AIエージェントとは、与えられたタスクを自律的にこなすソフトウエアです。これまでロボットによる定型処理が業務効率化・自動化の1つの解として定着してきましたが、AIエージェントによって定型外のさまざまなタスクもこなしていくことが可能になります。

東京エレクトロンではここ5年間、ロボットの活用に取り組んできており、年間で約7万6000時間分の工数削減を達成しました。新たにAIエージェントの活用に挑戦するのは「業務の膨張を止めるため」と、代表取締役副社長の佐々木貞夫氏は語ります。

背景には半導体市場の著しい成長があります。半導体市場は生成AIが需要の拡大をもたらし、半導体製造装置メーカーでは先端DRAM(Dynamic Random Access Memory)などへの投資が急増しています。このため、半導体製造装置メーカーの現場の業務量は膨れ上がっています。

今後も、AIサーバーの需要の伸びや技術革新によって半導体装置への投資は拡大すると見込まれます。こうした動きに伴い、東京エレクトロンの現場業務は量においても幅においても膨張する一方だと言います。もちろん人員を増やしたり、AIやITシステムも活用したりしてきましたが、それらによる負荷削減の効果よりも業務の膨張スピードが速いのが現状と、佐々木氏は明かします。

成長産業においては、テクノロジーの活用を続けたにもかかわらず、従業員の業務負担を低減できていない企業は少なくないでしょう。その要因として、AIを含めてシステム化できる業務が全体のごく一部にとどまっているという現実があります。

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米マサチューセッツ工科大学(MIT)のNANDAイニシアチブが2025年7月に公開した、AIに関する報告書*では「生成AIを導入した企業の95%がビジネス成果を得られていない」という結果を示しています。チャットボットのような業務の“補助役”として使われていても、業務を任せられる“担当者”としては十分に役立てられていないのが実態でしょう。AIの活用がまだ始まったばかりとしても、補助的な活用にとどまっていては、目に見える成果につながらないのは明らかです。

*「The GenAI Divide STATE OF AI IN BUSINESS 2025」

https://www.artificialintelligence-news.com/wp-content/uploads/2025/08/ai_report_2025.pdf

エンド・ツー・エンドの効率化・自動化へ

AIエージェントとロボット、人が三位一体に

UiPathでは、業務全体をカバーする高度な効率化・自動化ソリューションとして「エージェンティックオートメーション」を提供しています。自律的に判断し動作するAIエージェントと、人やAIエージェントが定義したタスクを実行するロボットを連携させた仕組みです。単一のプラットフォーム内で、例えばこれまでロボットだけでは処理不能に陥っていたような業務はAIエージェントが自律的に実行し、反対に、よりロボットに向いた業務はロボットが受け持ちます。このため、自動化できる業務範囲が拡大し、エンド・ツー・エンドでの業務プロセスの効率化・自動化につながるのです。

AIを業務で利用する際に懸念される安全性の確保には、人による判断で対応できます。エージェンティックオートメーションでは、ワークフローの中に人の判断を組み込むことでAIエージェントの判断を検証できるため、AIが誤った回答を提示する「ハルシネーション(幻覚)」を防ぎ、安全を守ります。

このように、AIエージェントとロボット、人が三位一体となって業務をエンド・ツー・エンドで変革する仕組みがエージェンティックオートメーションです。

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東京エレクトロンでは、研究開発から調達・製造、販売、保守サービスといった全定型業務を効率化・自動化すべく、UiPathのプラットフォーム「Maestro」を採用しトライアルを実施しています。MaestroはAIエージェントとロボット、人という3つのアクターを統合するエージェンティックオートメーションの基盤です。部門横断による長期的で複雑な業務工程でも、人にとって視覚的に分かりやすいかたちで設計できます。

短期に業務全体への適用を図り

新たなワークスタイルの実現へ

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現在、同社のトライアルでエージェンティックオートメーションはその効果を発揮し始めています。

トライアルの1つは、購買オーダーの発行業務への適用です。従来はSCM(Supply Chain Management:サプライチェーンマネジメント)システムを用いて購買オーダーを発行していました。基幹システム1台当たり100万点ほどにもなる部品発注に必要な項目を人手で入力しており、そのため従業員の作業工数が膨大になっていました。特に期末や月末などの繁忙期は処理件数が集中するため従業員の負担は重くなり、ミスも起こりがちでした。

この業務を、エージェンティックオートメーションを活用して効率化・自動化しており、その結果、年間500人月の削減効果が見込めるとしています。

世界各国・地域における法規制情報収集にAIエージェントを活用するトライアルも実施しています。

昨今、環境に悪影響を及ぼす物質などの利用が厳しく統制されるようになり、同社従業員には各国・地域の膨大な法規制情報を収集するとともに自社製品で使っている部品材料との照合作業が求められています。こうした業務は手作業で行うため多くの時間がかかっており、また工場からの問い合わせ対応にも工数を要しています。

そこで、情報収集作業をAIエージェントによって自動で実行し、RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)を用いて情報を集約しつつ、チャットボットで工場からの問い合わせに応対するといったワークフローを構築しました。実運用も間近とのことです。

同社では、業務の膨張に対処するために500~1000に及ぶ業務のフロー全体において、AIエージェントやロボット、RAGを適用して自動化に取り組む考えです。これにより「社員が現在費やしている時間の3~4割を削減できる」と佐々木氏は効果を見込みます。

同社の事業成長スピードは加速しており、それを超えるスピードで業務膨張への対策を取っていなければ、事業成長は勢いを失いかねません。同時に、ビジネスの拡大に対応しながら人が本来の創造的な仕事に集中する意味からも、エージェンティックオートメーションの活用が求められるはずです。同社のトライアルは、そのモデルとなる事例です。

エージェンティックオートメーションによって従来にも増して多くの仕事が自動化でき、業務改革が進展することは間違いありません。人が企業価値の向上やリスクマネジメント、さらなるイノベーションといった新たな価値ある仕事に力を発揮できる、新たなワークスタイルが当たり前の時代が、すぐそこまで来ています。

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UiPath FUSION Tokyoでの各種講演は、こちらよりご覧いただけます。

https://www.uipath.com/ja/events/fusion/global/tokyo/agenda

Digital Marketing Japan Team
Japan PR Team

Japan, UiPath

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